サポート対象外のInternet Explorer 9, 10, 11及びEdge (IE9, IE10, IE11, Edge)での既知の問題
(Doc ID 1638219.1)
Last updated on OCTOBER 24, 2019
適用範囲:
Siebel CRM - バージョン 8.1.1.10 [23021] 以降この文書の内容はすべてのプラットフォームに適用されます。
詳細
IE8のみが、HIクライアントでサポートされています。他のブラウザはサポートされません。他のブラウザを使用されるお客様は、Open UIを導入してください。
SiebelクライアントはSiebelバージョン7.02以来、Internet Explorer 5.5で業界トップの先進性を提供してきました。Siebelと Internet Explorerはどちらも何年にも渡って進化を続け、数多くの最先端の機能を提供してきました。最初の世代において、当初これらの機能は Microsoft固有の技術であるActiveXのフレームワークを用いて提供されました。今日、IP2015でSiebelアプリケーションのHIクライアントとしてサポートされるIEのバージョンはIE8までです。Microsoft が、2016年1月12日を以ってIE8, IE9 及びIE10に対する、技術サポートとセキュリティ アップデートを終了したことに注意してください。それ以降、Microsoft はどのような機能的な問題に対しても、Internet Explorer 8へのパッチを提供していません。Oracleは以下のStatement of Direction: Statement of Direction IP2016 Client Platform Supportで、IE8とHIに対する今後のサポートについてお知らせしています。Oracleは、新しいOpen UIクライアントとSiebel Mobile製品の提供によってのみ、IE11とEdgeに対するサポートを行います。
Microsoftの上位互換性: IE9, IE10, IE11 及びEdgeでの変更
Internet Explorer 9以降では新たなレンダリング・レイアウト・エンジン、新たなJavaScriptのレイアウト・エンジン及び新たなCSSレイアウト・エンジンを持ちます。Internet Explorer 9以降はATLライブラリの変更が必要となり、それが機能への影響やセキュリティ変更の退行を招いています。機能面における数多くの進歩がIE9以降で追加されていますが、その結果として上位互換性が失われています。Microsoftや他のソースによる以下のリンクは、変更されたインタフェースを示しています。これらのリンクは包括的なものではありませんが、これらの上位互換性の変更に関する情報を集めています。
- http://blogs.msdn.com/b/jonbox/archive/2011/02/17/what-ie9-changes-could-impact-your-site.aspx
- http://en.wikipedia.org/wiki/Internet_Explorer_9#Release_history
- http://en.wikipedia.org/wiki/Chakra_(JavaScript_engine)
- http://blogs.msdn.com/b/ie/archive/2014/04/02/stay-up-to-date-with-enterprise-mode-for-internet-explorer-11.aspx
Microsoftの互換モードとエンタープライズモード
互換モードは古いバージョンの動作をまねることで、上位互換性に対する問題のいくつかを解決しようと試みます。Microsoftのドキュメントでは、互換モードで対応できるのは一部の機能だけであることを暗示していますが、Siebelで必要とする多くの機能について修正するわけではありません。「互換モード」とは古いバージョンの独自の動作に対する互換を意味します。
- http://windows.microsoft.com/en-us/internet-explorer/products/ie- 9/features/compatibility-view
- http://windows.microsoft.com/en-us/internet-explorer/use-compatibility-view#ie=ie-11
- https://docs.microsoft.com/en-us/internet-explorer/ie11-deploy-guide/what-is-enterprise-mode
IE11とEdgeは、エンタープライズモードと呼ばれる新しい機能を提供しています。エンタープライズモードはいくつかの互換性の問題には対応しますが、その対象は広くなく、古いバージョンとのActiveXの互換性の問題については全く対応しません。以下のblogを参照してGroup Policyを用いることにより、互換ビューを強制的に有効とすることができます。
- https://blogs.msdn.microsoft.com/notime/2015/04/11/ie-enterprise-mode-in-a-nutshell/
- http://msdn.microsoft.com/en-us/library/dn640687.aspx
- http://blogs.technet.com/b/iede/archive/2014/04/09/ie11-enterprise-mode-for-internet-explorer.aspx?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed:+iede+(Internet+Explorer+Support+-Team+Deutschland)
- http://blogs.msdn.com/b/ie/archive/2014/04/02/stay-up-to-date-with-enterprise-mode-for-internet-explorer-11.aspx
エンタープライズモードが、ネイティブのIE8に対してどの程度の上位互換性を持つのかを明確にすべく、Microsoftは以下のような情報を提供しています。
- 最も重要な点は、IE11のEMはIE8のエミュレーション(模倣)であると理解することです。このことは、100%の機能が使えるわけでも、それを保証するわけでもないことを意味します。
- エミュレーションは、IE8のスクリプト・エンジンを模倣するIE11のChakra スクリプト・エンジンを使用することで行います。それは性能の向上につながりますが、IE8は異なる動作をする古いスクリプトエンジンを使用します。以下 は、Chakra スクリプト・エンジンに関する更なる情報です。
- 他の違いはレンダリングエンジンへ加えられた変更で、これはIE 9 / 10 / 11で発生しており、そのために古いドキュメント・モードに影響を与える可能性があります。
発見された問題: 経験的なデータ
Oracleは、全体的な上位互換性の欠如を裏付ける、経験に基づく証拠を大量に集積しました。そのリストには以下を含みますが、決してこれらがすべてというわけではありません。
- 古いコンパイラに対してデータ実行防止(Data Execution Prevention)をサポートしない、ATLの変更。
- WindowsのOSバージョンごとに、Windowsメッセージングシステムが大幅に変更されています。
- ブラウザ・レンダリング・エンジンの、特に「右から左へ」のサポートに対する長期的な変更。
- COM インタフェースの変更。
- Input Method Editor (入力方式エディター)の変更。 テキストの選択、 フォーカス、APIレベルの変更。
- 上位互換性がない、あるいは機能が退行した、セキュリティ脆弱性に関連するVSコンパイラの変更。
- IE11の互換モードが、ActiveXコンポーネントに対する上位互換性の考慮を欠いていること(Siebelでは300,000行以上のActiveXコードを使用します。)
- ActiveXを堅固にするためのセキュリティへの、複数の「退行した」変更でActiveXなどのインストールに必要となる管理者権限の上位互換性が維持されないこと。
- OSのアーキテクチャの変更、たとえばキーボードドライバをカーネルモードからユーザモードに移行したことで、navigator.online のようなIEの機能がhttp://support.microsoft.com/kb/2665220 のような問題(Siebelクライアント上でタイプされた文字が、不十分な処理性能によって失われること)を起こすこと。参照番号SRX113031410290452
HIクライアントにおける全てのUIエレメントはWin32コントロールです。上で述べたレイヤーにおけるどんな変更も、これらのエレメントの生成、描画、塗りつぶしに影響を与えます。IEはアプリケーションの論理を導きます。エンタープライズモードはユーザーエージェントを通してIEのバージョンを提供しますが、これは仮想化によってIE8と同じ動作を保証するものではありません。
動作保証されないIEブラウザ上でたまたま、あるいは意図せずにSiebel HIクライアントを使用したことによって分かった、Siebel特有の現象のリストの一部を以下に示します。このリストはごく一部を取り出したものであり、問題のタイプの代表的なものではありますが、Microsoftによる対応が必要となる、全ての発生しうる問題を網羅したものではありません。以下にリストしたいずれの問題も、お客様の利用形態によっては高緊急度の問題になり。展開に支障をきたす可能性があります。
クラッシュ:
- ファイル --> ログアウトによる、アプリケーションのクラッシュ
- 確認用のモーダルウィンドウがピック/MVGアプレットから呼ばれた場合、Siebelアプリケーションがクラッシュします(ハングの上、応答がなくなります)。利用者はSiebelセッションを終了後、再度起動しなくてはなりません。
機能的な問題:
- 添付されたネットワークファイルのURLが、動作しません。
- Configurator のTreeアプレットを表示しません。
- UI上でのキーの押下が、入力として認識されません。
- マウスをハイパーリンクの上に重ねても、「手」の表示に変わらず、そのままとなります。
- ショートカット(たとえば Ctrl+Alt+K)を使用した時に、それが動作したりしなかったりします。
- SiebelアプリケーションからAnalyticsのレポートページに移動した際、レポートが表示されるのではなく、OBIEEのログインページが表示されます。利用者の認証情報を入力したときだけ、レポートが表示されます。
- ピックリストやMVGアプレットが、X ボタンで閉じません。
- クレームのポリシーをリフレッシュすることによる'Sent to SC'の実行ができません。
- スクリプトやワークフローなどの長時間かかる処理を行う場合、砂時計が表示されません。
フォーカス、フォーマットの問題と、エラーメッセージ
- UI中のActiveXコンポーネント上で、スタイラスが完全には動作しません。
- ショートカット(たとえば Ctrl+Alt+K)を使用した時に、ポップアップウィンドウが画面の後ろに隠れて表示され、ショートカットキーも常に動作するわけではありません。
- 応答が遅くなったとき、Intenet Explorerはサーバーからの応答がないというメッセージを表示し、あわせてセッションを復旧するためのボタンを表示します。
- UI上での、いろいろなUI関連のエラーメッセージ、たとえば “The applet field with name “s_1_2_45_0” doesn’t exist(SBL-UIF-00289)”
- UI上での、データに関連したいろいろなエラーメッセージ、たとえば“Genericc SSA NOTOK error message.(SBL-DAT-00472)” URLが"http"の場合にはF9の機能がIE10で動作しますが、いったん"https"を有効とした場合、動作しなくなります。(IE8では動作します。)
- 確認用のモーダルウィンドウがフォームまたはリストアプレットから呼ばれた場合、画面の後ろに隠れてしまいます。処理を続けるためには、全てのウィンドウを最小化してポップアップウィンドウを見つけなくてはなりません。
- MVGアプレットを開こうとすると、画面の左上部に小さなポップアップアプレットが現れます。
統合の問題
- OBIEE, Chart Server, BIPなど他製品の埋め込み型統合や、他のサードパーティ製品が正しく動作しなかったり、エンタープライズモードによってこれらのコンポーネントの描画が阻害される可能性があります。
Microsoftの、IEのサポートとライフサイクルに関する情報
Siebel HIクライアントのような古いアプリケーションを、新しいInternet Explorerブラウザ上で実行しないでください。この移行期間におけるInternet Explorer(IE8, 9 及び10など)のサポート終了に関する決定や、Microsoftの新しいブラウザにおける上位互換性のコミットメントを理解いただくことを推奨します。Internet Explorerのライフサイクルについてはhttp://support.microsoft.com/gp/microsoft-internet-explorerで参照が可能です。
OracleのHIクライアントサポートへのコミットメントとライフサイクル
Oracleはパッチセットを通して、Innovation Pack 2015 に対するInternet Explorer 8上でのHIクライアントのサポートをコミットします。サポートについてはhttps://support.oracle.com/epmos/faces/CertifyHome に概要が示されています。動作保証タブを選択し、製品名として"Siebel HI Web Client"を入力して、現在の動作保証リストに載っているか確認してください。もし動作保証と示されている場合はそのバージョンに対してサポートされますが、新機能の拡張は行いません。サポートを終了したバージョンのブラウザに対する修正ができないことによる、一定の制限があります。
Oracleがコミットすることと推奨すること
多くのお客様で速やかな移行ができているという事実から、OracleはIE11またはEdgeを用いて、直接Open UIクライアントへの展開へ移行することを推奨します。所有権の総コスト、技術的な透過性の向上とブラウザ選択の自由度は圧倒的な利点となります。Oracleは、ミッションクリティカルなアプリケーションに対するリスクを最小限にするための、選択するオプションと現実的で対応可能なデータについて、お客様が理解することを手助けします。
Oracleはお客様がOpen UIクライアントを、次世代のSiebelクライアントとして評価することを推奨します。Open UIの要件は <note:1499842.1>の"Open UI Requirements"の項目の下で詳細に示されています。Internet Explorer 11、 Edge、 Chrome、 SafariとFirefoxは、Open UIを実行するための優れたHTML5サポートを(記載された制限とともに)提供しています。Open UIは効率よく展開でき、Siebel Open UIによって可能となる最も先進的な次世代のCRMソリューションを提供します。Open UIについての入門的な情報はOpen UI Deployment Guide <note:1499842.1>に記載されています。Open UI Deployment Guide <note:1499842.1>は色々なハードウェアとブラウザの組み合わせによるベンチマークのデータも含むので、Open UIを展開する前にお客様が使用するハードウェアとブラウザでの性能についてレビューすることを推奨します。Siebel Open UIは新しいブラウザ上で現代的なカスタマーエクスペリエンスを提供します。
まとめ
Microsoftや他の情報からIE8に対する上位互換性が100%ではないと示されていることから、IE9, IE10及びIE11はIE8に対する上位互換性の提供を大変難しいものにしています。その結果として、Oracleはお客様がIEのバージョン8より後のバージョンをSiebel HIクライアントとして使用しないよう、強く勧めます。また、IE8より後のバージョンでのSiebel HIクライアントの使用はサポートしません。お客様は、すべてのHIクライアントのサポートに関する問題を必ずInternet Explorer 8上で再現させる必要があります。IE8の問題は(製品の終了に伴い)、MicrosoftがIE8をサポートしなくなったことに依存する可能性があります。
Oracleは現代的なブラウザ上でSiebelを展開するための、現代的で安全なプラットフォームの選択としてOpen UIを推奨します。
本文書利用上の注意事項
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本文書は英語の文書(<Document 1627168.1 >: 最終メジャー更新日2017年11月 09 日)の日本語版です。
英語の文書の最終メジャー更新日が新しい場合は本文書に適宜反映いたします。
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Microsoftの上位互換性: IE9, IE10, IE11 及びEdgeでの変更 |
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